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Book レビュー


海道龍一朗 「百年の亡国」

2012.01.18  *Edit 

昭和20年、太平洋戦争終結前後から翌年の新憲法が施行される

までを描いています。

主人公は内閣法制局に勤務する若き官吏、立木一郎。

彼視点と交互に描かれるのが、連合国側、特に合衆国の視点。

2001年、年老いた一郎が過去を振り返る序章の後、

1章の冒頭の言葉は

『終わりの始まりは、ヤルタからだった。』

終わりとは一体なんなのか?

終戦と共に、日本人は日本人としての魂を失った。

序章を読んでそんな印象を持ちましたが、読み進めていくうちに、

その魂の具体的な物に当たるのが憲法なんだ、と分かって来ます。


戦後かなり経ってから、当時隠されていた色んな事が

表に出て来るようになってきましたが。

ここでは、戦争前のヤルタ会談での、米英ソの思惑から描かれ、

日本の危うい立場が今更ながらに切実に感じられました。

そして、降伏後の連合国同士の思惑と駆け引きと、

その横やりを撥ねつけたいが為の、マッカーサーの

矢継ぎ早で強引な占領政策……。

そして、憲法問題。

憲法改正問題に関わる事になってしまった立木一郎の

思いは、旧態の官吏ならではの硬い思考と思いつつも、

国家の大事な要である憲法が、国民の民主的意志によって

作られたと糊塗されて、実は即席で米国側が作った物の

押しつけだったと言う事実には胸に迫るものがありました。

近年、押しつけ憲法だとの指摘はあるものの、ここまで

酷かったのか、と思う反面、天皇制の維持や本国からの

干渉とソ連(ロシア)の日本領土分割要求を受け付けないが為に

早くに結果を出したかったマッカーサーの気持ちも

多少なりとも分かる気もして。


国民の手で改正をする事すらも不可能に近いような

規定を設けられた憲法が施行されて、立木一郎は法制局を

辞職します。

100年経ったところで、この憲法を改正する事などできやしない。

憤懣と絶望の思いを抱えながらも、蒲公英を見て、前を向いて

歩いて行く事を決意する最後は、ちょっと悲しかった。

その後の日本の歩いてきた道を知っているから。


戦後のGHQの民主主義洗脳により、戦前の教育や慣習、

全てを悪と思わされ、精神の荒廃が余儀なくされたと思います。

現在の日本を思うと尚更です。

情報は糊塗されたり、事実を報道されなかったり、もしくは

あらゆる情報に溢れていたりしますが、その中で真実を

見出だし正しく判断する為にも、日本人はもっと学ぶべきですね。

自身で考える力を付けることこそが肝要かと思います。

そして、自身の国の歴史をもっと見つめ直す時だと思います。


本書は文体は難しくないのですが、内容が少々読みにくい部分も

あります。ですが、大変勉強になるし、考え直す良い機会を

与えてくれる書でもあります。

興味を持たれた方は、ご一読下さい。


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~ Comment ~

Re: NoTitle>真吾オジサン様 

真吾オジサン♪

これはおススメです。私は図書館で借りて読みました。
大変勉強になります。

広島は被爆地ですから、尚更、戦後民主主義的思想や教育が色濃かったのではないでしょうか。
現在の憲法は内容が玉石混交な感じでしょうか?
基本的な思想は良いとは思うのですが、それより何より
やはり出来るまでの過程に大きな問題がありますね。

それに、本書で初めて知ったのですが、GHQの草案の
基になった或る草案があるのですが、それがどういう人間によって
作られたのか。。。どうぞ読んでみて下さい。
真吾オジサンが、社会主義に淡い幻想を抱きすぎている面、
と指摘されたのが、成程と思われると思います。

お読みになられた後で、真吾オジサンの感想を、
是非、お聞きしてみたいです。

NoTitle 

これは面白そうな作品ですね。

真吾オジサンは日教組が元気な広島市で育ちましたので、この歴史認識の問題には関心があるのです。

今の憲法になって良かった面もあると思うのですが、どうしようもない面もあると思っております。

社会主義に淡い幻想を抱き過ぎている面が現在の憲法だと思いますね。

これでいい面もあるとは思うのですけれどね。


by 真吾オジサン
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