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Book レビュー


秋山香乃 「茶々と信長」

2011.07.25  *Edit 

好きな作家さんなので、前から読みたい気持ちがありつつも、

信長も茶々も、或る意味、使い古された感のある素材なので、

好きな作家と言えども、あまり食指が動きませんでした。

なんとなく、タイトルから二人の関係が想像できちゃって。

それでも読んでみると面白くはありました。

タイトルからすると、最初から茶々の物語だろうとの想像が、

まず冒頭で打ち砕かれます。

信長の妹、市が、兄の命で北近江の豪族、浅井長政の元へ

嫁いで行く所から始まり、その後の、長政と信長の交わりが

とても色濃く描かれてます。

この二人の心情のやり取りは、とても良かったです。

長政は決して凡人でも愚人でもなく、武将としても人間的にも

男としても優れていて魅力的なんだけれど、信長と接している

うちに、畏敬と崇拝の念を持ちつつも、それとは逆の

思いも湧きてきたりして、その辺の気持ちの葛藤が

無理なく伝わってくるだけに、死なせたくない男、

裏切ると知っていても、裏切らないでくれと思わず祈って

しまうような、そんな愛しさを感じました。

この、浅井家滅亡までの話が、この本の前半を占めていて、

茶々と信長の二人の話は後半なんです。主人公、長政?

なんて誤解する程の紙面の占領ぶりです。

さて、物語の後半ですが。

茶々の容姿や気性など、基本的なキャラクターは従来の

イメージに沿っていて、新鮮味は無かったですが、

物ごころついた頃に、落城の憂き目にあった経験が、

彼女の精神の発達に深く影響し、その後の生き方を左右

したんだな、とつくづく感じました。

年齢の割にしっかりしている様は、長女で妹達と

母を支え無きゃと言う、幼い決意の為で、それがとても

いじらしかった。。。

最後まで通して思ったのは、このお話は、浅井の話だな、

と言う事。三姉妹が生き残り、末娘の江が徳川に浅井の

血筋を残した、って事はよく取りざたされる事だけど、

浅井の復興を願って、その為に生きようとした三姉妹の

思いが切なかった。

そして、信長から「存分に生きよ」と言われて

この世は辛い事ばかりではなく、楽しい事もある、と

柴田と共に死ぬ事を選んだ母・市に力強く言った茶々。

時に折れそうになりながらも、懸命に生きようとする

茶々の姿に、いつしか涙しちゃいました。


この本は、北の庄落城で、三姉妹が秀吉の元へ落ちる所で

終わっていて、ちょっとあっけない感があります。

この後、「茶々と秀吉」と言う作品に続くのですが、

この時点では、それは分からない為、出版されたばかりの

時に読んだ人にとっては、物足りない、消化不良的な

印象が残る感じです。

この後、どういう思いで秀吉の側室になり、そして死を

迎えるのか、興味が湧いてきたので、続き、読みたいと思います。


とても読みやすく、歴史を全く知らない人が読んでも

分かりやすく親しみやすいと思うので、一度、この辺の話を

読んでみたいな、と思ってる方には是非お勧めしたいですね。

通の方には少々物足りないかもしれません。

ただ、秋山香乃の、人間描写、心情描写は、いつも

すんなりと心に入ってきて、いつのまにか染み渡っていて、

違和感を感じさせない上手さがあり、私は好きです。

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