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Book レビュー


吉川英治 「平の将門」

2011.07.22  *Edit 

古来、怨霊と化して祭られてきた者は、皆不遇の死を得た者たちである。

政敵や邪魔者を陥れ、死に追いやり、その後にその祟りを

恐れて神として祀る。

ずるがしこく生き残った者たちは、懲りずにそれを繰り返してる。

平将門は、畏れられて祀られた代表と言えるだろう。

しかも、ナンバーワンじゃないのかな。

彼の人生を描いた小説を読んだり、映像を見る度に、

本当に不遇な人だなぁと思う。

吉川英治の描く歴史物語は、とても素晴らしい。

どの作品においても、人物の描き方が深くて、

すぐ近くにいる生身の人間のように感じられてならない。

だからこそ、とても感情移入してしまって、

今回も将門の不遇に、いちいち憤り涙するばかりだった。

彼の一番の不幸は、矢張り父親に早死にされた事だと思う。

成人前に父親に死なれたせいで、老獪で強欲な叔父達から

その財産をかすめ取られ、邪魔者扱いされ、命を狙われ……。

彼にとっては、自分の命と所領を守るだけの事だったのに、

目の敵にされて、執拗に攻撃を受けて。

都では、冷静で口の上手い悧巧な従兄の貞盛に公卿たちを取り込まれ、

もう、全てにおいて将門に不利なように事態は動いていく様に、

やるせなくなった。

結果は分かってるだけに、正直読むのが辛くって。

小公女セーラのように、最後に苦労が報われてハッピーエンド、

となるわけじゃぁない。

これでもか、ってくらいに酷い目に遭って、最愛の妻子まで

殺されて、人が良すぎるだけに、どんどん泥沼にはまって行く様は、

或る意味、愚直過ぎる本人の性格が災いし、自業自得と

言えなくもなく、哀れ過ぎる。

むか~し、NHK大河ドラマで「風と雲と虹と」って

将門主人公のドラマをやって、それを見た時も、将門は

ムカつくくらい、馬鹿正直者だった。

都に出て、都の腐った宮中の内情を知りながらも、

正義は勝つとどこかで信じて、貢物や下工作をしない。

生に執着するのなら、あらゆる手を尽くすべきと、

こちら側は思うのだが、本人には無理なようで。

きっと、そばに仕えていた身内は、もどかしくて

たまらなかったんじゃないのかと思うばかり。

結局、逆賊の汚名まで被せられて、後年長い間、悪者と

されてきた将門。

そんな将門の愚直なまでの人の好さは、逆に家来や領民からは

慕われるが、矢張り家族や国を守る為には、

愚直では駄目なんだなぁ、とつくづく思う将門の人生。

一本気で優しくて喧嘩に強い、賢くない人。

それに引きかえ、天皇家に藤の蔓を巻きつけて、

その後もずっと栄華を続けた藤原宮廷の在り様は、

現在にも通じてて胸糞悪さ、いっぱいで読み終えた。

日本の政治や経済の人間模様は、古代の昔から

連綿と続いていることを、歴史物を読む度に思う。

久しぶりの吉川英治。かつて読んだ作品たちを

懐かしく思い、また、まだ読んで無いものを読みたいな、

と思わせてくれた。

だけど、将門は悲惨過ぎる。

ずっと報われない連続だった将門の人生は、読み手側にも

辛いばかりだった。。。。


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