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Book レビュー


加藤 廣 「明智左馬助の恋」

2011.05.17  *Edit 

三部作、最後の作品。

主人公は明智光秀の娘婿である、明智左馬助(三宅弥平次)。

織田信長の遺骸の謎を追うと言うテーマのもとに描かれた-三部作で、

初作は「信長公記」の筆者である太田牛一を主人公にして、

二作目は秀吉を主人公として描かれてきたのですが。

自分的には、三作目の今作が一番面白く感じられましたねぇ。

歴史小説を読む時、当事者本人が主役よりも、そのすぐ近くにいる

人物を主人公にして描く手法の方が、私は面白いと感じます。

矢張り、少し離れた視点から、色々な人物との関わりを通して

浮き彫りにしていく手法は、物語に幅や奥行きを感じさせて

味わい深い気がするのです。

そう言う点では、一作目の「信長の棺」も記録者の目から

描かれた信長や秀吉はなかなか面白かったです。


さて、今作ですけど、明智サイドから描かれた本能寺の変。

これまでの明智光秀像とは違う、新しい人物像と物語の

内容に、感嘆しました。

光秀と言う人物は、ここではとても純で律儀な人間に描かれてます。

その点は、従来の光秀像からも想像の範疇は越えてはいないと

思うけれど、どちらかと言うと今までは矮小化されてたな、と思います。

でも考えてみると、歴史は勝者が作ったものなんですよね。

勝った方が、自分に都合の良いように記録しているわけで。

今回の三部作を読み終わって、結局のところ、光秀の人物像は、

漁夫の利を得た秀吉によるものなんだな、とつくづく思いました。

本能寺の変に至るまでの、光秀の涙ぐましい程の働き。

そして、過酷な命令ばかりで上司として部下への思いやりを

言葉で伝えられず、恨みを買うばかりの信長も、なんだか

哀れになってきてしまいました。

人を使うって難しいのね。

作者が長年企業人として生きて来た事もあって、そういう人事や

組織や上司、同僚とのせめぎ合いなどの描写も、人の心の襞まで

読みとり描かれていて、だからこそ、登場人物の心理と行動が

すんなり読み手側にも入ってきて、共感すること然り。

そして、目から鱗だったのが、本能寺の変の真相。

まぁ、真相とは言っても、実際のところは分からないわけ

なのですが、光秀は飽くまでも謀反したつもりはなく、

殺さずに生け捕りにし、幽閉するつもりだったとの設定には

驚きました。

確かに、本能寺を襲撃した際、誰も信長を手にかけては

いないわけで。

信長殺しの罪で秀吉軍が攻めて来たわけだけど、殺した証拠は

どこにも無いんですよねぇ。。。。

この三部作では、ネタバレになりますが、信長殺しの張本人は

秀吉で、その罪を光秀は着せられてしまっているのです。

結局、ずるがしこい公家連中に乗せられて、馬鹿をみたわけです。

そして、主人公の左馬助。

とても魅力的です。そして切ないです。

この人の生きざまに惹かれました。

矢張り、歴史ドラマは人間ドラマですね。

魅力的で感情移入できる人物作り。

残された史料から、その人物を作り上げ行く。

大変な作業なだけに、歴史小説作家には畏敬の念を抱くばかり。

作者独自の見解に、首を捻る場合があっても、

人物の心理と行動に無理が無いと、こういう解釈も

ありだよな、と思えてくる。その辺が作家の力量でしょうね。

最後はちょっぴり泣けてきちゃいました。


嗚呼、だけど、明智左馬助でカプコンのゲーム

「鬼武者」を連想してしまう私は、結構、逝ってますね(^_^;)

「鬼武者」シリーズ、大好きです。新作はもう出ないのかなぁ。。。。

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