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Book レビュー


村薫 「レディ・ジョーカー」

2011.04.27  *Edit 

初めての村薫でございました。
以前から興味を抱きつつ、どこか敬遠しておりました。
そういう作家さん、まだ結構、多いんですよね。
天の邪鬼な性格のせいか、ベストセラー本や受賞作などを
微妙に避けているnarinariでございます(^_^;)

それで損したなぁ~、と後悔する事、度々あるのですが。
今回も、それでしたね。
久しぶりに、どっしりとした純文学と言っても過言でない
社会派ドラマの小説でした。

十代の頃は純文学大好きだったので、この本が学校の図書室に
あったとしたら、間違いなくすぐに手に取って読んでいたと思います。

それでも、基本的に重たい人間ドラマを好む私だけに、
読み始めたら、これってモロ好みじゃん!と目から鱗。
それに、この超長編ぶりも好み。
分厚い本ほど、胸が躍ります。

冒頭、昭和二十二年に日の出麦酒会社に宛てられた、
一通の長い手紙から始まります。
旧仮名遣いに古臭い文体。
私にとっては、読むのは全然苦ではなく、むしろとても時代の
懐かしさを感じたりなんかしたのですが、最近の人には辛いかも。
この手紙が、発端になって、様々な事件が発生し、
それに関わる多くの人の人間ドラマが展開されています。

それぞれが、それぞれの人生の中で苦闘している様を読んでいて、
非常に胸苦しく感じました。
そして、社会が、そして生きている事が、凄く虚しい感じがして。
貧窮の中で生きて来たお爺さんも、一流企業の社長さんも、
刑事さんも新聞記者さんも、必死に生きているけれど、
大きな悪意を持った権力の機構の中で、結局は自分ではどうにも
できない虚しさが、物語が進む程、色濃くなっていき、なんか
みんながみんな、どこか精神的に破たんし、壊れて行くのを
見てるのが、正直辛い部分もありました。

政界、財界、警察、新聞社、それらの世界の描写が緻密で、
この複雑な絡み合いと、自浄能力のない組織の汚れた様、
そういのが大変詳細に描かれているので、それだけでも
読むの大変だったんですが、よくぞここまで、と思う程で、
随分勉強になりました。
そして、それらに重くのしかかっている、闇の組織の力。
小説の最後の方で、インフルエンザのウィルスに例えられて
ましたが、ウィルスの根源を突き詰める事はできずに、
ただ対処療法で乗り切るしか無く、永遠に消滅せずに
続いて行くであろう社会の構造が恐ろしく感じられました。

人間描写も非常に緻密で、心惹かれました。
読んでいて、苦悩している姿が可哀想でならなくて。
それぞれの行く末が気になって仕方ないですね。

あまりにも重たく深い話しなので、読み終えた今も、
何をどう言ったら良いのかわかりません。
自分の中に大きな混沌としたものを抱え込んでしまったな、
と言った感じで、まだ整理できません。

個人的には、城山社長が好きだったので、最後は可哀想でした。
この人は、結局のところ善良な人なんだな、とずっと
思っていたので、尚更。
そして、合田刑事。この人も好きだったので、彼の
今後が気になりますが、自分の殻から脱して先へと
進んで行きそうな予感を漂わせていたので少しホッとしました。

レディ・ジョーカーの事件をきっかけに、多くの人の人生が
大きく変わった中で、合田刑事とヨウちゃんと、レディの最後の
様子に、少しは希望を抱けたnarinariでした。

あぁ、支離滅裂、ごめんなさい。。。。
気持ちが落ち着いたら、他の作品も読もうと思います。


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~ Comment ~

Re: NoTitle>lime様 

limeさん♪

早いですか。。。早いのかな?自分的には
時間かかったな、って感じなのですが、なんせ図書館で
借りたものですから、返却日が迫っている事もあり……(^_^;)

それにしても、どっしりとしていて、
物凄い重量でした。多くの人のドラマがぎっしりと
つまっている感じで、また其々が重たいものですから、
ズーーーンときましたね。
多くの視点から描かれている事もあって、ストーリー的には
なかなか進まない事に、時にはもどかしさも感じたりしたのですが、
読み終えてみると、全てに無駄が無かったな、と思って。

次は何を読もうかなと思案中ですが、limeさんが読まれている
「マークスの山」へいこうかな、と。。。
「火の神」もいきますよ~。三部作は、後回しですかねぇ。
矢張り、少し年代順に読んでみたい気が。
読みたい本が増えた事に、自分的には満足です。
いい本にめぐり会える事は、至上の喜びでございます。^^

limeさんに感謝(-||-)合掌

NoTitle 

早い!
もう読み終えたんですね~。
うらやましいです。
私など、まだマークスの山、上巻の半分。
まあ、一日30分ほどしか読む時間を開けてないのが原因ですが^^

高村先生、いいでしょ?
文章一つ一つ、登場人物一人ひとりが生命を帯びてて、作り物の感じがしない。
読み終えた後は、呆然としますよね。
なんと感想を書いていいかわからない。
でも、ずっしりと自分の中に、その感慨が残って、消えないんです。

最近の新作は、ミステリーを離れて、すっかり社会派文学の道へ行かれている先生ですが・・・。
narinariさんは、そちらの方がお好きかも。
「晴子慕情」「新・リア王」「太陽を曳く馬」の三部作など、どうでしょう。(内容は知らないんですが・・・)
私はまだまだ、ミステリーの方から読んで行こうと思ってます^^
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