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小説・クロスステッチ第2部 <完>
21.ふたつの鼓動 ~ 22.美しき花、あとがき


クロスステッチ 第二部 22.美しき花(最終章) 04

2010.12.13  *Edit 

「君の気持ちは、凄く嬉しいよ。だけど。それでも君は、
ゼミの方へ参加するべきだ」
「どうして?」
 理子が雅春の腕の中で顔を上げた。
 納得がいかないと、声と顔が訴えていた。
「3学期に入ってからは、目の回るような忙しさだ。毎日
帰りも遅い。だからこそ、帰宅して君の笑顔と美味しい
手料理に心が癒されるし、目覚めて君の明るい顔を見れる事で、
活力が湧いてくる。だから俺は、大変でも頑張れる」
 雅春の言葉に理子の瞳が揺れた。
「それなのに、何故なの?」
 雅春はフッと口の辺に笑みを浮かべると、
「愛しているから」と言った。
 理子が、自分を愛しているからこそ、自分の為にサポート
しようとしてくれているのと同じように、自分も理子を
愛しているからこそ、彼女のサポートをしてやりたい。
 学生の本分は勉学だ。ただ、就職までの繋ぎとして、
取り敢えず大学へは入っておこう、との気持ちで入学した
わけではない。歴史の勉強をしたくて入った筈だ。それなのに、
歴史のゼミに参加しないのは、どう考えてもおかしい。
 雅春のサポートと言ったって、一緒に仕事をしている
わけではない。ただ、雅春が気持ち良く、元気に仕事が
できる為に家庭で暖かく迎えてやる。それだけの事に、
自身の大事な勉学を犠牲にするなんて事はさせられない。
「君は、君自身の為にも、何を差し置いても参加するべきなんだ。
俺が大けがをしたとか、病気になったとかって言うなら
まだ分かるが、そうではないんだ。しかも、たかだか
一週間じゃないか。たった一週間留守にするくらいの事を、
どうしてそんなに大袈裟に捉えるのかな」
「先生は…、私がいなくても平気なの?」
「平気だよ」
 その言葉に、再びその瞳から涙がこぼれ落ちた。
今度は大粒だ。
「そんなに泣くな。言っとくけど、平気って言うのは、
ずっとって意味じゃない。大学の用事で一週間くらい
居なくても平気だって事さ。どうして、こんな些細な
言葉で泣く?俺達は離れていても、いつだってそばに
いるって言ったじゃないか」
「そうだけど……」
「俺を一人置いて行くのが気がかりなのか、それとも
自分自身が寂しくて行きたくないのか…?」
 理子は雅春の首に手を回して抱きつくと、
「両方よ」と言った。
 理子の匂いが雅春の鼻をくすぐり、しなやかで弾力のある
体が密着して雅春の中の男を刺激した。
「しょうのない奥さんだな……」
 雅春はそう呟くと、理子を抱き上げて寝室へ運んだ。
「先生?」
「離れたがらない甘えん坊の君を治療してあげるよ」
「先生は、いつからお医者さんになったの?」
 顔を赤くして、小さい可愛らしい声で理子が言った。
「君を愛するようになったその時から、俺はずっと
君の主治医だよ」
 雅春はそう言うと、理子の唇に優しく自身の唇を重ね合わせた。
 身にまとっているものを静かに1枚ずつ外してゆく。
 理子は頬を染めて、睫毛を震わせていた。恥じらいながらも、
その先を期待している事が伝わってきて、雅春の中に
歓びが満ちて来る。
 全てを取り払い、目の前に晒された理子の全身は
あまりにも美しくて、触れたいのに触れてはいけないような、
そんな神々しさを感じた。
 理子の体は真っ白だ。こんなにも白く、そして滑らかなのは、
どうやら夏でも肌を露出する事が無いからのようだ。
真夏を共に過ごせなかったが、初夏の暑い日でも理子は
ノースリーブを着た試しが無かった。
 かなり暑い日でも、せいぜいが7分袖で、どんなに暑くても、
半袖より短い袖の服を着ているのを見た事がない。その半袖の
袖丈も長めだった。疑問に思って本人に訊ねたら、二の腕を
剥き出しにするのが恥ずかしいのだとの答えが返ってきて、
正直呆れた。
 理子がどれだけ恥ずかしがり屋なのか、それで分かると
言うものだが、さすがにそこまで行くと、驚く。
 それ程の恥ずかしがり屋だから、水着になってプールや
海辺に立った事は小学生の時以来、無いと言う。
その小学生時代も、泳げないものだから滅多に行く事は
無かったそうだ。それでは焼けると言う事もないから、
白くて綺麗なままなのも頷ける。
 その白い体に、まだ赤い小さな傷跡が目立つ。
「先生……」
 理子の体を見つめたままでいる雅春に、理子が小さい声で
呼びかけてきた。
「ん?」
 理子の瞳は潤んでいた。
「先生…。傷の事は、もう気にしないで?目立つ場所に
あるわけじゃないんだから、先生が負い目を感じる事なんて、
全然無いのよ?」
 雅春は微笑んだ。
「ありがとう。分かってるよ。君も、そんなに心配することは
無いよ。もう、君が思う程、俺も気にして無いから。ただ、
君の体があまりにも綺麗なものだから、つい見惚れてたんだよ」
 理子の白い体が淡いさくら色に染まる。
 理子を愛するようになってから、もうすぐ2年半になる。
10代後半の、少女から大人へと変化してゆく様をずっと
見て来て、雅春の胸は熱くなる。自分と愛し合うようになって、
理子は大人への階段を掛け足で上って来た。
 急がせてしまった事に、未だに多少なりとも負い目を
感じる雅春だが、目の前にいる彼女の美しい姿を見ると、
そんな思いも消え去るのだった。
 俺が見出し、俺が愛し、俺が育てた花だと思うと、
胸の奥底から喜びが湧いてくる。
 桜色の蕾を頂いた丘の麓のライン上に、そっと指を這わせた。
 その刹那、理子の唇から微かな吐息が洩れた。
 胸の谷間に優しく唇を当て、そっと、まっすぐに臍まで
移動して、心持ち縦長な印象を受けるその臍を甘噛みすると、
理子は体を震わせた。そして、更に降下して淡い林を鼻で
くすぐる。理子は切なげな声を上げた。
 雅春は来た道を胸の谷間まで戻ると、両手でそっと理子の
乳房を包みこんだ。重量感のある膨らみは、包み込む雅春の
手を跳ね返すような錯覚を与える程の弾力性だ。
 その先端にある、小さな蕾を口に含む。そっと噛み、
そっと吸う。そしてゆっくりと舐めて、しゃぶった。
細くて甘い声が室内に響き、悦び震えている様が伝わってくる。
「理子…、奈良へ行くまでの間に、俺の注射をたくさん
打っとくから安心しろ」
 理子は真っ赤になって、「先生のエッチ…」と、
恥ずかしそうに言った。
「そうさ。俺はエッチさ。でも君だって…同じじゃないか…」
 雅春は理子の体に舌を這わせた。
「いや…。先生と一緒に…しないで…」
「口ではそう言っても…、体がしっかり証明してる。
…こんなに、濡れてるじゃないか」
 雅春は潤んだそこに指を当てた。それと同時に理子の
唇から甘い悶え声がこぼれてきて、雅春の欲情を一層掻き立てた。
 僅かに擦るだけで、声と共に蜜も溢れて来る。その敏感に
反応する様が嬉しくて、指の動きに変化を付けると、
理子はいちいちそれに反応する。可愛くてたまらない
気持ちになってくる。
 当てる指を親指に変えて、中指をそっと中へ挿入すると、
すぐさま締め付けて来た。親指を弧を描くようにゆっくりと
動かすと、その動きに連動して、中がヒクヒクと痙攣し、
理子の声が激しくなる。
「ほら…。君だって、こんなにエッチじゃないか。
歓んで、悶えてるだろう?」
 雅春の言葉に、理子は首を横に振った。
 中指を動かし、彼女の特に感じやすい部分を刺激すると、
更に声が上がり身を捩らせる。
 そうして、しつこい程に理子の体を愛撫してから、
雅春は理子の中に侵入した。
 自分を受け入れてくれる暖かなこの場所は、何度来ても
飽きるどころか、来る度に雅春に鮮烈な歓びを与えてくれる。
 二の腕を晒す事すら恥ずかしいと思っている理子が、
自分に全てを預けてくれているのが嬉しい。雅春の愛撫を受け、
貫かれる事を求めるようになった事が、何にも代えがたい程の
歓びを感じる。
 繋がったまま理子の体を強く抱きしめ、その名を呼んだ。
 それに応えるように、理子はうっすらと目を開けた。
瞳が小さく揺れている。
「愛してるよ…」
「私も…愛してる…。とっても…」
 そう言って閉じられた理子の瞼に口づけると、
二人は共にいったのだった。

「理子…。俺の事は大丈夫だから…」
 雅春は自分の胸に身を寄せている理子の髪を指で
梳きながら言った。
 理子は黙って頷いた。
「奈良への旅は、卒業式の後でもある。卒業式が終わって
しまえば、俺の仕事もひと段落つくから、君が心配する事は
ないんだ」
「でも…、残務処理とか…引き継ぎとか、色々あるんじゃ
ないんですか?それに、後期日程の生徒や二次募集を
受験する生徒とかも……」
「まぁ、なぁ…」
 理子の言葉に少しだけ気が重くなった。
 去年の生徒達はみな必死に頑張ったせいか、国立は後期日程を
受けずに済んだし、私立の二次募集への応募者もいなかったから、
予定していたよりも楽だった。だが今年の生徒達は、そうは
いかないだろう。後期日程を受けるとなると、3月一杯、
落ち着かないし、私立の二次募集の受験者はきっと
多いに違いない。
「君の言う通りではあるけれど、二月程の忙しさでは無いよ。
それに、俺の仕事だ。君が家に居ようが居まいが、仕事には
関係ないんだ。また、関係あっても困る。一人の大人として、
自分の責任はしっかり果たすのが当たり前だ。だから、
君も君自身の事に打ち込んで欲しい。そうして、
元気に戻ってきてくれた方が俺は嬉しいんだ」
 理子がそっと、雅春の胸に口づけた。ぷっくりした
唇の感触が心地良く、初めて受けた行為に胸が熱くなった。
「理子…」
 思わずその顔に視線をやる。理子の瞳は潤み、
そして輝いていた。
「先生…。ありがとう。私、ゼミに参加しますね。
先生を一人残していくのはやっぱりちょっと気がかりなんだけど、
それでも行きます。先生の思いに答えたいから。
それで、たくさん学んでくるから」
 雅春は頷いた。なんだか言葉が出て来ない。
 理子はにっこりとほほ笑むと、首を伸ばして雅春の唇に
唇を重ねたのだった。
「先生…、愛してる」
 小さくそう呟いた唇から甘い吐息が洩れ、雅春は体の奥から
強い思いが突き上げてくるのを感じた。
「俺もだよ…」
 熱くて深い思いが、互いを突き動かし、再び交わったのだった。


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