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小説・クロスステッチ第2部 <完>
14.母と娘 ~ 17.衝 撃


クロスステッチ 第二部 16.岐 路 04

2010.11.10  *Edit 

 雅春の体の上に理子は横たわっていた。
 力強い心臓の音が聞こえる。それを聞いていると、
深い安心感を覚える。
 引きしまった体に逞しい胸。広い肩幅に、隆々とした二の腕。
その体にこうして密着していると、それだけで恍惚としてくる。
 雅春は背中に回していた手を指立てて、理子の背中をそっと
撫で廻し始めた。理子は小さな声を洩らし悶え始める。
 やがて指はゆっくりと尻の上で何度も弧を描き、理子の
高まりも徐々に増してきた。そして、指が中へと入って行った。
それと同時に、理子は仰け反った。その仰け反った首に、
雅春は唇を寄せ、舌先で舐めた。理子は震えた。
「理子。四つん這いになってくれないか?」
 雅春の言葉にドキリとした。だが理子は、コクリと頷いた。
それを見た雅春は嬉しそうな笑顔になり、掻きまわしていた
指を抜いた。
 理子は雅春の上から下りると、言われた通りにした。
凄く恥ずかしい。だが、逆らえなかった。すっかり、
この人の愛の奴隷になってしまったと思う。
 雅春は、背後から理子の中に入ってきた。
 いつもとは違う感覚が理子を襲う。
 雅春は理子の尻を掴むと、腰を回した。雅春のもので、
中を掻きまわされている。
 理子は背を反らせながら、甘く切ない声を上げた。
「感じるかい?」
「感じる……、とっても……」
 途切れ途切れにそう言った。
 体中が震えて来る。
 やがて雅春は腰を打ち付けて来た。その激しさに、理子の声も
激しくなった。
「君のここは…、凄く、気持ちいいよ……。ずっと、ここに
いたいよ。離れたくない…」
 切ない声でそう言う雅春を愛しく思った。
 雅春は深く腰を沈めると、理子を自分の上に乗せた。バックの
騎乗位状態になり、背後から理子の豊かな乳房を掴み、
片方の手を秘部へと当てた。
 鋭く激しい刺激が理子を襲い、思わず大きな声が出る。
 激しく首を振る。
 雅春の熱い物が自分の中で蠢き、理子は全てが解放されて
快楽だけを貪っている自分を感じた。
 理子は何度も何度もイき、最後に雅春と共にイッて、果てた。
 精も根も尽き果てたように、ぐったりとベッドの上に体を横たえ、
身動きもできずに荒い呼吸のまま目を閉じていた。
 そんな理子の隣に横たわりながら、雅春は優しく 
理子の髪を撫でていた。
 雅春は、自分でも、かなりしつこかったと思った。それなのに、
理子はそんな雅春に従い、応えてくれた。自ら雅春を欲し、
求めてくれた。その事に無上の喜びを感じる。
 もう昼を過ぎていた。
 南の窓から燦々と降り注ぐ日差しの中で、理子の火照った
白い体がとても美しかった。
 雅春に愛されて、女になった体。
 自分だけが愛でる事ができる。そう思うと、体の底から歓びが
突きあげて来る。
 雅春はそっと理子の頬に口づけた。
 理子が甘い吐息をその可愛い唇から洩らした。
 それが雅春の胸を熱くした。
 愛してる。
 心の底から。
 自分の全てをかけて。
 彼女の何もかもが愛おしい。
 その吐息も、髪の毛一筋も。
 永遠に失いたくない。
 ずっと彼女のそばにいたい。
 世の中の全てを敵に回しても、彼女さえそばにいてくれれば、
それだけで幸せだ。
 彼女を愛し、愛されていると思うだけで、魂が震えてくる。
 理子の呼吸が静かになってきた。
「理子・・・」
 と呼びかけたら、理子は瞼をそっと開けた。
 気だるそうな表情が、胸をくすぐる。また抱きたくなってくる。
だが、さすがに雅春の体も疲れていた。エネルギーを
使い果たす程の、激しく深い時間だった。
「先生・・・・」
 小さくて可愛い声だった。
 開いた瞳は潤んでいる。
「大丈夫か?」
 雅春の問いかけに、理子は頷いた。
「俺、凄く嬉しいよ。とうとう君は、女になった」
 理子は頬を染めて、ゆっくりと瞬きをした。雅春はそんな
理子の頬に手を当てると、顔を寄せて、そっと唇に口づけた。
「俺に応え、俺を求めてくれた。それが凄く嬉しいんだ」
 聖女のような理子が、思いきり淫らになって雅春の前で
悩ましい姿態を晒し、そんな理子を征服している歓びを、
理子を抱きながらずっと感じていた。恥じらいながらも、
雅春の言う通りに従った理子が、狂おしい程に、可愛くて愛しかった。
「私…、すっかり、先生の、愛の奴隷に、なっちゃったみたい……」
 理子の言葉に雅春は微笑むと、再び彼女に口づけた。
舌と舌を絡ませて、唇を舐め、吸った。
「俺は、君に出会う為に、高校教師になったんだと思う。
君に呼ばれたんだ。だから朝霧へ赴任する事になった」
 雅春の下で瞳を潤ませている理子に、雅春はそう言った。
「君を愛する事は、運命だったんだ。だから。…だから、
もう俺は、あそこにいる意味は無いんだと思う」
「先生…」
 理子は雅春の言葉を受けて、驚いたように目を見開いた。
「君を愛してる。君は俺にとって、かけがえのない人だ。君との
愛を一番大切にしたい。君と過ごす時間をもっと多くしたい」
 雅春はそう言うと、理子の髪をそっとすくって口づけた。
髪すらも愛おしい。
 そんな雅春の仕草に、理子は目を瞑り恍惚とした顔をした。
そして、目を開いて言った。
「私の為だったら、辞めないで」
「理子……」
 今度は雅春が驚いて目を剥いた。
「君の為じゃない。俺の為なんだ」
 雅春は理子の隣で腕枕をしながら、理子の肩を優しく撫でた。
「元々俺は、高校教師には向いてなかった。君がいなかったら、
逆にとっくに辞めていたかもしれない。頑張れたのは君が
いたからだ。でも今学校に、君はいない。日々、学校の
業務が俺に重くのしかかって来る」
「先生……」
 理子は心配そうに雅春を見上げた。
「君の許に戻れて、また頑張れると思った。だが現実は違った。
春のうちは、学校に君の面影が色濃く残っていて、君がそこに
いるような気がしたんだが、それも段々と薄れて来てしまった。
いるのは蜻蛉のように儚い思い出だけなんだ。そして、そんな
現実を虚しく感じるようになってしまった」
「帰ってくれば、ここにいるのに……」
 理子にそう言われて、雅春は軽く笑った。
「そうさ。ここには君がいる。だから早く帰りたいのに、帰れない。
帰ってきても、君とゆっくり過ごせない」
 雅春はそう言うと、天井を見上げた。理子と過ごした学校での
思い出は、雅春の胸の中で輝き続けている。辛く苦しかった時も、
全ては今の為にあったのだ。
「去年、3年に進級する時に、再び君の担任になる為に手を打った。
君のそばを離れたく無かったからだ。毎日、君の顔を見れ無かったら、
自分がおかしくなりそうだと思ったんだ。僅かな時間ではあっても、
同じ場所で毎日最低でも2回は逢える。君がいると思うから、
学校へ行く張り合いもあったし、頑張りがいもあった。
だが今は、それが無い」
 理子のいない学校は、まさに灰色と言って良かった。全てに
やりがいを感じなくなってしまった。子供たちに日本史を
教えるのも、補習クラスの指導も、ブラバンの指導も、
みんな虚しい。手応えが感じられない事が最大の理由か。
 打っても響く相手がいない。あれだけの人数の生徒達がいながら、
誰も響いてこない。それでも、生徒相手の仕事だけなら、
まだ頑張る気にもなれたと思う。だが、それ以外の業務が多過ぎて、
生徒達の事をもっと考えてやる時間が少ない。響かない相手を
響かせる工夫や努力をしたいと思っても、それに割く
時間が無いのだった。
 その上、自分のしたい勉強も全く出来ず、求めて止まない
妻との時間も少ない。ストレスは溜まる一方だった。好きな
仕事だったら、それでも自分なりに折り合いをつけれたろうが、
好きな仕事ではない。だから、ストレスも倍増するのだった。
「先生。先生の気持ちはよくわかりました。でも先生は、
大学での人間関係が煩わしいと思ったから大学に残らな
かったんでしょう?嫌な事は何処に行ってもあるんですよ?」
「君は大人みたいな事を言うな。と言うか、大人だな」
 雅春は笑った。女だからなのか。現実的な答えが返って
来ると思った。
「ごめんなさい。生意気な事を言って」
「いや。謝る必要は無いよ。君の言う通りなんだから。ただ、
俺は、別に現実から逃げる為に大学へ戻ろうとしている
わけじゃないんだ」
 理子が言う通り、何処へ行ったって嫌な事はある。
社会の中で生きる以上、嫌な事は避けて通れないし、
それが当たり前の事だ。ただ、自分が打ちこめる仕事であるなら、
そういう嫌な事も前向きに乗り越えようと努力できる。
 大学も、決して居心地の良い場所で無いことは、十分
承知している。高校教師になった事の方が、そこからの
逃げだったと言える。
 自分のやりたい研究だけで身を立てるのは大変な事だ。
色んな派閥があって、自分が信じる論理を頑なに貫く事は
出来ない。言いたい事をそのまま言えるような場所ではない。
下手をすると潰される場合もある。
 重箱の隅を突くようにして、揚げ足取りをする人間も大勢いる。
精神的に強く無いと、自分自身に負けてしまいかねない。
 それでも、雅春は日本史の勉強をしたい気持ちが以前にも
増していた。原因は理子だ。理子が雅春の日本史熱を刺激した。
 理子にはもっと、勉強して貰いたい。そう思うのと同時に、
自分ももっと深く追求したい、と思うようになった。それなのに、
一向に勉強できない。それをもどかしく感じる。
 それでも一度選んだ道だ。僅か2,3年でドロップアウトして
良いのか。何くれと無く世話になった、校長や諸星を始めとする
自分に好意的な教師達を裏切る事になるのではないか。
そんな思いが雅春を躊躇させていた。
「昨日、君のおとうさんが、学校へ訪ねて来られたんだ」
「えっ?お父さんが?」
 理子は思いがけない雅春の話しに驚愕した。


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