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Book レビュー


マンチュリアン・リポート 浅田次郎著

2010.10.15  *Edit 

1928年(昭和3年)に起きた、張作霖爆殺事件のお話です。

『蒼穹の昴』から始まる、一連のお話の流れを汲む内容です。

西太后が支えた清朝も滅び、張作霖が東北王となって、

その後、お話はどう進んでいくのだろう?となんとなく消化不良な

思いを抱いたまま『中原の虹』が終わってしまいました。

私、『蒼穹の昴』を読んだ時、主人公は李春雲と梁文秀の二人だと

思ってました。なのに、小説を読み進んで行くうちに、

ん??と思うようになり……。

李春雲こと春児(チュンル)は、今回も最後の方で登場します。

既に、54歳になっていました。

張作霖より僅か1歳下だったんですね。

私は梁文秀がとても好きだったので、『蒼穹の昴』で政界を負われて

日本に亡命したのが悲しかったし、『中原の虹』では、その後の

彼の生活が少し描かれていましたが、活躍できずに終わってしまった

彼が可哀想と言うか残念でたまりませんでした。

その彼が、前作の後半で中国に戻って来たのですが、その後、

どうなったのでしょうか?

前作の終わりから、今作までの間のそれぞれの人生は描かれて

いないのが、少々不満です。

張作霖が爆殺されることは歴史上の事実だから、当然、読者は

知っているわけで、だからこそ、この作品で非常に魅力的に

描かれていた彼のその後の行動をもっと知りたかったんですよね。

『マンチュリアン・リポート』は、昭和天皇から事件の真相を

究明するように密命を受けた日本人将校、志津邦陽中尉のレポートと、

張作霖を北京から奉天まで乗せた蒸気機関車「龍鳳号( ドラゴンフェニックス)」

の、鋼鉄の独白と言う、2本仕立てで話が進んでいきます。

真相究明とは言っても、関東軍と満鉄が犯人である事は

わかりきっている事であるので、志津のレポートには、真新しさは

感じません。謎解きのようなワクワク感はありません。

ただ、当時の列車の様子が明らかになるにつれ、張作霖は自分の

死期を悟り、またこの旅の危険も十分認識していたのだな、と

言う事がわかってきて、なんだか身につまされます。

それに、張作霖と共に生きてきたと言っても過言ではない、

吉永将中佐の最後の告白には、胸が打たれました。

何て言うか、この一連の物語は、色々な事を考えさせられたように

思います。

このシリーズのお話の要である「龍玉(ロンユイ)」。

天命ある者だけが持てる、大きな金剛石。

この時点では、張作霖の息子である張学良の手元にありますが、

彼は今後、政争に敗れて台湾に幽閉され、不遇の一生を終えます。

そして、中国は毛沢東が治めることになるのですが……。

この一連の物語は、まだ続くのでしょうか?それとも終わるのか…。

『蒼穹の昴』の後半で、少年・毛沢東がちょこっと出てきてるんですよね。

少々気になります。。

吉永中佐は死出の旅路につく張作霖に、龍玉の行く末を見届けるように

遺言されました。

「この国を治めるのはこの国の人間」

外国の介入によって食い散らかされた祖国を、外国に売り渡せない。

同じ思いを抱いて西太后も力を振り絞って死にました。

満州国建国で、日本の傀儡として祭り上げられた宣統帝(溥儀)。

でも、結局、中国は中国人によって統治されるようになりました。

西太后や張作霖の願いは叶ったと言えるのでしょう。

中国の動乱は、尚も続きますが、この一連の物語は、矢張りこれで

終わりなのでしょうか。

張作霖爆殺事件で、歴史の流れは大きく変わったわけですし、

それまでとは、カラーを全く異にするような気もしますし。

だけど、ロンユイの行く末は、私たち読者も知りたいですよねぇ?

一代の英雄の最期は、切なく胸打たれる場面でした。。。。





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