ChaoS

スポンサー広告


スポンサーサイト

--.--.--  *Edit 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



*Edit TB(-) | CO(-) 

小説・クロスステッチ第1部 <完>
第9章 染まる染まらない~第15章 許されざる者許す者


クロスステッチ 第1部第9章 染まる染まらない 第2回

2010.03.12  *Edit 

 理子とゆきは、みんなと別れて、駅から少し離れた静かな
喫茶店に入った。
 古くから営業している店で、山小屋風の二階建ての建物だった。
二人は二階席に座った。ここにはメニューに乗っていない隠し
メニューが幾つか存在する。理子は以前、何度か父に連れられて
ここへ来ていた。駅から少し離れている為、常連客中心の静かな店だ。
 理子はエスプレッソを、ゆきはシナモンティーを注文した。
 「小泉君と一緒じゃなくて、良かったの?」
 「うん。今日は久しぶりに理子ちゃんとお喋りするって言ってあるんだ」
 と、頬を赤らめて言う姿が可愛い。
 理子はゆきが大好きだった。自分が男だったら、絶対にゆきを
彼女にしたいと思う。正直なところ、小泉と付き合うようになって、
一緒に遊びに行く時間が激減した事で、小泉に嫉妬しているのだった。
だから今日は久しぶりにこうして二人で一緒に過ごせるのが嬉しい。
自分はレズかも?と疑った事があるくらい、ゆきが好きなのだ。
 「今日の理子ちゃんの服、前にあたしが選んであげたのだよね。
思った通り、よく似合ってて、凄く可愛いよー」
 とゆきが言った。理子は照れる。
 「それに、そのペンダント、凄い素敵―。どうしたの?」
 理子は頬を染めて答えた。


 「・・・貰ったの」
 「えっ?貰ったって、プレゼント?」
 「うん・・・」
 「ねー、ねー、それって、まさか、もしかして・・・」
 「好きな人から」
 と、理子は言った。
 「修学旅行の時に言ってた人?両思いになったの?」
 「うん。両思いになったの」
 「えーっ、それって、凄い。良かったね、理子ちゃん。おめでとう」
 ゆきは興奮した。
 「ありがとう・・・。ところで、ゆきちゃんの話したい事って、なんなの?」
 理子はさりげなく話題を転換した。もとはと言えば、そっちが本題なのだ。
 「うん。実はね。クリスマスイブの日に、小泉君と・・・結ばれたの」
 ゆきが顔を真っ赤にして言った。
 「ええーっ?」
 理子は仰天する。今さっきまで、隣で話していたのだ。小泉と。
彼、いつもと変わらない気がしたけど・・・。
 「は、初めてだったんだよね・・・」
 「うん。なんかとっても、恥ずかしくて、怖くて。でも、
とっても優しくしてくれた」
 ゆきが照れながら話す。
 「あ、あのさ。小泉君は?小泉君も初めてだったのかな?」
 理子は気になって訊いてみた。
 「そうだって言ってた。だから、最初、なかなか上手くいかなくて・・・」
 上手くいかない・・・って、どういう事だろう?
 「やっぱり、痛かった?」
 「うん。とっても。でも、あっという間に終わっちゃった感じ」
 「あっという間?」
 あっと言う間に終わるものなのか?
 「彼が入ってきた時、凄く痛かったんだけど、なんかすぐに終わったの」
 「そ、それで、その後は?」
 「その後って?」
 「だから、その、終わった後。それで終わり?」
 「終わった後は、暫く抱きしめられた」
 「エッチは一回だったの?その後は無し?」
 「やだ、理子ちゃん。一回で終わりだよ。そんなに何度もできないよ」
 そうなのか。やっぱり、普通は一度で終わりなんだ・・・。
 「あの、変な事を訊くようだけど、時間、どのくらいだった?」
 「ええー?時間?・・・小泉君の部屋だったんだけど、下に
家族がいたから。なんか、成り行きで慌ただしい感じだったかなぁ・・・」
 「成り行きぃー?」
 理子の場合だって、同じようなものだろう。セックスの始まりは
成り行きみたいなものなのかもしれない。
 ゆきの話しをまとめてみると、小泉の部屋で、ギターで一緒に
歌を歌ったりしているうちにキスされて、そのまま押し倒されたらしい。
それから、胸に手がゆき、服の中に手が入ってきて、服を捲くられて
生で触られ、そのまま下へ。抵抗したが、小泉は見た目によらず
強引だったらしい。下着の中に手が入ってきて、愛撫されているうちに
興奮して、そのまま最後まで流されてしまったようだ。服は着たままで、
外されたのはショーツだけ。小泉はしっかりゴムを装着したそうなので、
そう聞くと確信犯と言う気がする。
 あんな可愛い顔してて、やる事は大胆なんだな、と思った。
 「セックスって、もっと怖いものかと思ってたんだけど、
経験してみると、そうでもないんだね」
 と、ゆきが言った。
 「ゆきちゃん、その後は?さっき、小泉君が、冬休み中はどこへも
行かなかったって言ってたけど、デートしてないの?」
 「うん。初詣だけ。だって、暮れは何かと忙しいでしょ?小泉君も、
冬休みの間は勉強したいって言ってたし」
 そう言えば、そんな事を言っていた。小泉は国立の理工系を
目指しているので、既に臨戦態勢に入っているのだろう。それを
考えると、ゆきの今後の交際は厳しい状況になってくるかもしれない。
須田先輩みたいに、勉強最優先でデート無し状態になる恐れもある。
そうなった時、ゆきは大丈夫だろうか。
 「でも、初詣の後で、小泉君の家に誘われて、またしちゃったの・・・」
 ゆきは恥ずかしそうに身を細めてそう言った。
 「ええっ?」
 理子は再び驚く。
 「家族もみんな、あちこちへ出かけてていなかったの。それで・・・」
 「そうなんだ。・・・それで、二度目はどうだった?まだ痛かった?」
 「ちょっとだけね。でも、前みたいく痛かったわけじゃないから、
最初の時とは違った感じした」
 「違った感じ?」
 「何ていうか、上手く言えないんだけど、・・・気持ち良かった」
 それを聞いて理子の方が赤くなった。
 ゆきは女の顔をしていた。前より綺麗になったと思ったのは、
きっと、このせいなのだろう。
 理子はつい、色々と根掘り葉掘りと聞いてしまった。
二度目も、矢張り、あっという間に終わったらしい。キスをして、
胸を揉んで、下半身を触って挿入する。最初の時のように、
なかなか入らなくて苦労したそうだ。
 高校生同士のセックスって、そんなものなんだろうか?
 いや、二人が初めて同士だからなのだろう。お互いに手探りな
感じだ。初々しい感じもする。
 理子の相手がもし枝本だったとしたら、矢張り、ゆき達と
同じような感じになるのだろうか。でも、考えてみたら、確か
枝本は理子の前の彼女の黒田さんと、かなり際どいところまで
進んでいた筈だ。キスは既に彼女と経験済みだ。そして、その先も・・・。
理子はその話を、現場にいた人間から聞いていた。聞いた時には
ショックだった。まだ中1の初夏だったと思う。つい数カ月前まで
は小学生だったのだ。
 黒田は男好きするタイプで、本人もませていて、小学生の時から
男子と付き合っていたので、性に対する抵抗は低かったようだ。
それよりも、どちらかと言えば早く体験したいと思っていた節が
あった。だから、好きな相手から求められれば、簡単に応じたろう。
 そう考えると、枝本君はもう童貞じゃないのかも・・・。
なんて思っていたら、ゆきから言われた。
 「ところで、理子ちゃんの彼はどんな人?教えて」
 ドキっとして赤くなる。
 「前は聞かないでって言ったけど、両思いになったんだから、
いいよね?」
 ゆきは親友だ。ゆきは、大事な事を理子に詳しく話してくれた。
だから、理子もゆきには話したい。だが、矢張り、彼の正体だけは
明かせない。
 「彼は、大人なの・・・」
 理子はそう言った。嘘ではない。
 「えっ、大人の男の人なの?」
 「うん」
 「大人って?大学生?」
 「ううん。社会人・・・」
 「ええーっ?」
 ゆきはとても驚いた。
 「幾つの人?」
 「22,3歳かなぁ・・・」
 「凄い大人じゃない」
 目を丸くしていた。
 「じゃぁ、そのペンダントって、もしかして、本物?」
 「うん。ダイヤなの。あと、緑の宝石はツァボライトって言う、
ちょっと珍しい石」
 「すごーい・・・。こんな凄いプレゼントを貰ったんだ」
 と、ゆきは感嘆した。
 「ねぇ、いつから付き合ってるの?」
 「うーん・・・・、秋かな。でも、お互いに忙しくて時間が
合わないから、デートとかできないの」
 「えっ、そうなの?」
 「うん」
 「ねぇ、それって寂しくない?平気なの?」
 ゆきが切なげに聞いてくる。
 「まぁ、平気。私も勉強で忙しいしね」
 ゆきが溜息をつく。
 「理子ちゃんって、こう言ったらなんだけど、淡泊だよね。
前の須田先輩の時もそうだったでしょ」
 「あの時は、そんなに好きじゃなかったから。だけど今は、
とっても好きだよ」
 と、理子が少し赤くなって答える。
 「だけど、どうして大人の男性なの?どうやって知り合ったの?」
 「うん。まぁ、ちょっとした縁で。今はまだ詳しく話せないんだ」
 「そうなんだ。残念。でも、話せるようになったら教えてね」
 と、ゆきが笑った。ゆきの、こういう優しい所が好きだ。
 「何をしてる人?」
 「公務員なの」
 本当の事だ。
 「へぇー。お堅い仕事してるんだね」
 お堅い、のかな?やっぱり。
 「真面目な人?」
 「真面目、と言えば真面目なのかな。変わった人だけど、
なんか情熱的なのよね」
 「えー、いいじゃん。素敵じゃん。優しいんでしょ?」
 「うん。優しい・・・」
 理子は話してて熱くなってきた。思い出してしまう。それに、
彼の事を友達に話せるのが、なんか嬉しい。幸せな気分だった。
 「それで理子ちゃんは、その人とエッチした?」
 「ええーっ?」
 思いきり驚く。あのウブなゆきちゃんの口からそんな事を
聞かれるとは。やっぱり、経験すると変わるものなのか。
 理子は赤くなって、俯いた。言っていいのだろうか?
嘘をついた方がいいのだろうか?迷う。
 「どっちだと、思う?」
 まずはちょっと逃げてみた。
 「えー?うーん、どっちだろう?」
 ゆきは理子の顔を見て様子を窺っている。
 「見た目からは、わからないかな」
 理子がポーカーフェイスだからだろうか?理子から見たゆきは、
明らかに見た目が変わったと思う。同じ質問をされたら、きっと
したに違いないと思う筈だ。女になった感じがする。
「相手は大人の男性だから、求められて当然と思うんだけど、
逆に大人だから、女子高生には手を出さないんじゃないか、
とも考えられるし・・・」
 なるほど。増山の場合は前者だった。
 「ゆきちゃんは、凄く綺麗になったよ。終業式で会った時と
雰囲気が変わってるから、驚いてたの。小泉君との事を聞いて、
なる程って思った」
 「えっ、本当?あたし、変わってる?」
 ゆきが赤く染まった頬に手を当てた。
 「今日なんか、すっごく可愛い。歴研のメンバーも、みんな
熱い目で見てたわよ」
 「えー?」
 と、更に赤くなった。
 「私は、変わってないでしょ?」
 と理子は言う。あれから毎日鏡を見て、自分は変化が無いように
思っている。
 「うん。変わったって感じはしない。いつもの理子ちゃんって感じ。
今日はカッコ良かったけど」
 「カッコ良かった?」
 意外な事を言われて驚いた。
 「ボウリング、すっごい上手なんだね。颯爽として。それに、
カラオケ。B‘zを歌うとは思ってなかったから驚いたけど、
それがまた凄く上手だったから余計。男性ボーカルをあんな風に
歌えるなんて、理子ちゃん、凄いよー」
 「もしかして、それって男の子みたいだったって事になるのかな?」
 「やだやだ、違うって。そうじゃなくて、いるじゃん、
カッコイイ女の人って。そういう感じ」
 カッコイイ女の人かぁ。自分ではよくわからないなぁ。
 「ねぇ。その後、小泉君と会うと、どんな感じがする?照れたりする?」
 「うん。ちょっとね。なんか恥ずかしい感じ。みんなの前だと、余計にね」
 そう言えば、ゆきと小泉は何度も視線を絡ませ合っていた事を
思い出した。ゆきの方の視線は熱かったように思う。
 「心境の変化とか、感じる?」
 「うん。感じる。前よりも好きって思うし、大学卒業したら
結婚したいな、とかも思うし・・・」
 「結婚?今から考えてるの?」
 理子は驚く。
 「だって、このまま付き合っていけたら、そうなるのが自然じゃない?」
 「そうだろうけど、小泉君と結婚したいんだ」
 「うん。したい。小泉君のそばに、ずっといたい」
 ゆきは照れながらそう言った。
 素直だな、と理子は思う。やっぱり自分とは大違いだ。
 「理子ちゃんは、あたしにそうやって色々聞くってことは、
やっぱりまだなのかな」
 「えっ?何が?」
 「エッチだよ・・・」
 「ああ・・・」
 矢張り、わからないのか。どうしよう。そんな事を言われると、
言ってしまいたくなる。
 「ゆきちゃんは、イブの日に初体験だったんだよね?私は
その翌日のクリスマスの日に・・・」
 と理子が言うと、ゆきは目を丸くして驚いた。
 「ええー?本当にー?」
 「してないのに、した、なんて嘘はつかないよ。その逆なら
あるかもしれないけど」
 「えー、そうなんだ。だって理子ちゃん、そんな雰囲気じゃないから・・・」
 「自分でもそう思う。あれから家で鏡を見るたび、全然
雰囲気変わってないなーって・・・」
 「そうかー。しちゃったんだ・・・。大人の男性って、どんな感じ?」
 「うーん、そう言われても初めてだから、比較するものがないし」
 理子は赤くなった。
 「優しかったんでしょ?」
 「多分・・・」
 「多分って?」
 「頭真っ白だったから、よくわからないの」
 「やっぱり、怖かった?」
 「うん。まだ先だと思ってたから」
 「理子ちゃんは、前に付き合った人たちと、そういう事は
全然無かったの?その、エッチまではしなくても、その途中とか・・・」
 「全然無し。もしかして、ゆきちゃんは有ったの?」
 「小泉君とちょっとだけね」
 「あらっ・・・」
 そうだったんだ。イブの日が全て初めてだったわけでは
なかったのか。じゃぁ、有る程度の覚悟は出来ていたのかもしれない。
別に競争しているわけではないが、先を越されちゃったなと思った。
 「じゃぁ、何もかも、ゆきちゃんの方が先輩だね」
 と理子は笑った。
 「理子ちゃんは、その後、彼と会った?」
 「ううん。だって、暮れとお正月だし。私は大晦日だからって夜出れないし」
 「そっかぁ・・・。ねぇ、もしかして、ホテルとかだったの?」
 「ううん。彼の部屋」
 「大人の人だから、一人暮らし?」
 「家族と住んでる」
 「じゃぁ、あたしの時みたいに、家族も家の中にいた状態だったの?」
 「留守でした」
 そう言うと、理子は、先生もやっぱり確信犯かも、と思った。
 「じゃぁ、周囲に気を使う必要も無かったんだね。羨ましいかも」
 「ははは・・・。私は緊張したけどね」
 二人は暫くそんな話をしてから、帰宅した。

スポンサーサイト


*Edit TB(0) | CO(0)

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
 ◆Home  ◆Novel List  ◆All  ◆通常ブログ画面  ▲PageTop 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。