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小説・Bye by Blue<完>
10.最終章:明るい未来へ


Bye by Blue 10.最終章 01

2010.07.09  *Edit 

 満ち足りたクリスマスの翌日は、結城の送別会を兼ねた
売り場の忘年会だった。
 居酒屋の一室を借りきって、賑やかに始まった。席は何故か
男女できっちりと分かれていた。河嶋と和子の間を思いやった
感じである。
 この日も睦子はビールを頼まなかったが、河嶋は何も
言わなかった。さすがに、こんな時に場の雰囲気を壊しては、
と思ったのかもしれない。それとももう諦めたのか。
「一年間、今年も御苦労さまでした。色々ありましたが、
みんなが頑張ってくれて、主任として感謝してます。来年もまた
宜しくお願いします。それから、結城君の前途を祝して、乾杯!」
 主任の掛け声に合わせて、みんなは唱和した。
 こうして皆と飲むのは久しぶりな気がした。
 結城がこの職場へ来てから、本当に色々な事があったと思う。
 彼の登場が、睦子にとっては一つの転機だったような気がする。
 睦子は、あの夢を思いだした。あの時に、もう睦子は結城に
掴まっていたのだ。あの時から結城を意識するようになり、
彼はどんどん睦子に近づいて来た。
 結城は主任と楽しそうに笑いながら話しをしている。何を話して
いるんだろう。そう思いながら見ていたら、横に座っている
浜田が耳元に口を寄せて来た。
「良かったわね。仲直りできたみたいで」
 浜田は楽しそうに笑っている。
 睦子は微かに頬を染めて、「ありがとうございました」と言った。
「でも、彼がいなくなると寂しくなるわよね。あなただって、
毎日顔を見れなくなるんだから、寂しいでしょ?」
 睦子は頷いた。
 彼がいてくれたお陰で、ハードな仕事でも精神的な負担が軽くなった。
 ちょっとした会話や視線のやり取りがあるだけでも、
気力が充実した。これからは、それが無くなる。だが、
2人はマメに、終業後に逢う事になっている。一緒に勉強する為だ。
 そして睦子も、来年の3月までに新しい働き場所を探して、
今の職場を退職する事にした。大学の試験は日曜日に開催される。
日曜日に休みが取りにくい今の職場で働き続けるのは難しい。
スクーリングへ通うにも不具合がある。
「結城さんは、今度はどんな仕事なの?」
 京子が結城に質問した。
「スポーツクラブのインストラクター」
「ええー?すごーい!でも、ピッタリ~」
 睦子も同感だ。
 聞いた時には驚いた。
 今の職場へ就職する前に、インストラクターの資格は取得して
いたのだと言う。ただ、空きが無かった。その空きが、
やっと見つかったのだそうだ。
 どうりで教えるのが上手なわけだ。
「いかにもって感じだよな」
 河嶋が煙草を咥えてそう言った。最近、吸いだしたのだった。
どうも彼は最近、洵子よりもポップの久保メグミにご執心な様子で、
新たな三角関係が生じつつある。そのストレス解消の為の喫煙か。
 だが、その久保メグミは、どうやら結城に気があるようで、
結城が退職すると聞くと、急に積極的に接近してきた。それを
妨害するように、河嶋はしきりに松本あかりをけし掛けて、
あかりと結城がくっつくように画策しようとしていて、
結城も困っていた。
 クリスマスイブの日も、河嶋が主だった若い男女従業員の
何人かに声をかけて、店を借り切ってのパーティを開催した。
当然、結城も誘われたが、結城は彼女と約束があるからと
言って断ったのだった。
「ねぇ、むっちゃん。クリスマスはどうしたの?中川さんに誘われた?」
 京子が睦子の袖を軽く引っ張って、小声でそう言った。
 睦子は軽く溜息を洩らすと、
「中川さんとあたしをくっつけようとするの、やめてね。
この間は本当に迷惑だった」
「えぇ?じゃあ、上手くいかなかったの?」
「だからぁ。あたしには、その気ないから。大体あの人、
全然好みのタイプじゃないし」
「そっかぁ。じゃぁ、しょうがないね。じゃぁさ、じゃぁ、
むっちゃんの好みのタイプって?どんな人?前彼はスラッとしてて
眼鏡かけてたけど、ああいう人が好みなの?」
 また、誰かを紹介しようとでも言うのだろうか。
 困っていたら、浜田が隣から言った。
「石川さん。幾ら仲良しでも、限度ってものがあるわよ。
いい加減にしたら?」
「でも……。いいじゃないですか、好みのタイプを聞くくらいは。
別に聞いた後で、また紹介しようとかは、しませんから」
 京子の言葉に、浜田は呆れた顔をした後、どうするの?
と言った顔を睦子に向けた。
「恩田さんと工藤君は、付き合い始めるみたいだよ。
クリスマスも一緒に食事に行ったんだって」
 そう言われれば、さっきから楽しそうに2人で話している。
元々気が合う感じではあった。
 その時、「こんばんはぁ~」と、いきなり女性の声がして、
みんなで驚いて出入り口の方へ目をやると、松本あかりと
久保メグミが入って来た。
「なんだよー。どうしたんだよー」
 と、河嶋が嬉しそうに声を掛けたが、他の面々はみんな
驚いて目を見張っていた。
「すみませーん。服地の忘年会に押しかけて来ちゃって。
でも、結城さんの送別会も兼ねてるって聞いたので、ちょっと
だけでも参加させて貰いたいと思って来ちゃいました~」
 と、メグミが全く悪びれた様子も無く、明るい笑顔でそう言うと、
結城の隣に腰かけた。それを見た松本あかりが、
反対側の結城の隣に腰掛ける。
「ちょっと、何なのよ、あれは」
 浜田が不愉快そうに言った。
「鮎川さん、いいの?」
 睦子に顔を寄せてきた。
 睦子は苦笑した。
 良いわけでは無いが、しょうがない人達だな、と思う。
 結城は困惑した表情を見せていた。
「結城さんもさ。彼女に義理だてしなくても、こんなに綺麗どころに
人気があるんだから、こっちを選べばいいのに」
 と、河嶋が不謹慎な言葉を口にした。それだけで、この男が
どれだけ不誠実なのかが分かると言うものだ。しかも、
和子がこの場にいるのに。
「恩田さん、別れて良かったんじゃない?酷い男じゃん、あいつ」
 京子が和子にそう言った。
 京子の言葉に、和子は笑った。
「そうですよ。俺、大事にしますから」
 工藤が小声でそう言った。
 そんなこちらの気配に気づいたのか、河嶋が胡散臭そうな
目つきでこっちを見た。
「アユちゃん、昨日は休みだったよな。日曜日に休むなんて、
なんかあったの?」
 不機嫌そうな顔で言われた。
 なんで、あたしに絡んでくるんだろう。
 睦子が何て答えようかと逡巡していたら、いきなり弓田主任が
口を挟んで来た。
「昨日のアユちゃんの休みは、俺から結城君への餞別なんだよ」
「はぁ?」
 主任の言葉に、河嶋が思いきり驚いた。
「何ですか、それ。全然言ってる事の意味が分からないんですけど」
 睦子は主任の突然の言葉に驚いた。まさか主任が2人の事を
口にしてくるとは思ってもみなかった。
「しょうがないなぁ。結城君、今日、この場で、みんなに話すって
言って無かったか?そろそろ話したらどうなんだ?グズグズしてるから、
余計な子達まで入りこんで来ちゃったじゃないか」
 主任の言葉に、
「余計な子達って、私達の事ですか?」
 と、あかりが言った。
「そうだよ。服地の忘年会なのに、部外者が入って来るんだからな」
 何だか少し、不愉快そうに感じた。主任も快く
思って無いのかもしれない。
「ひどーい」
 と2人はむくれながら文句を言った。
「アユちゃん、こっちへ来なさい」
 主任が睦子に向かってそう言った。
 浜田が肘で睦子をつついた。
「ええ?むっちゃん、どういう事?」
 京子が小声で睦子に問いかけた。睦子は微笑むと、立ちあがって
主任のそばまで移動した。それを見た結城が立ちあがって、
睦子の隣に立った。みんなが驚いた顔をして2人に注目した。
「俺の彼女です」
 結城はそう言って、睦子の肩を抱き寄せた。


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~ Comment ~

Re: 初めまして♪>こちらこそ 

コメント、ありがとうございます。
こちらこそ、とても嬉しいです。

辛い過去を乗り越えられて、今の元気なご様子に
ホッといたします。

これからもお邪魔させて貰いますので、宜しくお願いしますね^^

Re: うふふふふ>OH林檎様 

OH林檎さん♪

全くです。

みんなの人気者の彼女は、睦子だったぁ~~~~。
相当、ショックでしょうねぇ。
やっと公表できて、万々歳です^^

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

うふふふふ 

みんなの驚いた顔が目に浮かぶーーー!
言葉は悪いけど
ザマーミロ
って感じです(笑)
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