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小説・Bye by Blue<完>
3.血圧上昇


Bye by Blue 3.血圧上昇 06

2010.06.03  *Edit 

 店を出る時に腕時計に目をやると、7時10分だった。
 誰にも内緒で一人で来てと言われた事もあって、睦子は
ゆっくりと帰り支度をした。
 トイレで私服の2人に会った事で分かる通り、服地以外の
売り場の従業員の多くは、既に帰り支度を終えてロッカーを
後にする者が多かった。
 それでもまだロッカーは混雑していた。
 いつもなら、さっさと帰りたい睦子だから大急ぎで帰り仕度を
するのだが、この日はノンビリだ。何かと関わって来る京子は、
彼氏が待っているから人の事など眼中に無いが如くにさっさと
支度をして、挨拶を済ませて出て行った。
 せっかちな浜田もテキパキと着替えている。いつもノンビリ
なのは和子だった。この日もノンビリ着替えている。
「今日はアユちゃん、ゆっくりだね」
 と、和子に声を掛けられた。それに気付いたように浜田が
「本当だ」と言った。2人の指摘にドキリとする。
「何か今日は疲れちゃって。たまにはノンビリもいいかなと…」
「へぇ~。珍しいわね」
 浜田はそう言いながら、全てを終えてロッカーを閉めた。
「じゃぁ、お疲れ様。また明日ね」
 そう言って出て行った浜田を見送って、最後に残ったのは
睦子と和子である。
 和子は動作の1つ1つがゆっくりだ。どうしてこんなに
遅いのだろうと首をかしげる。時々京子と3人で飲みに
行くのだが、和子はいつもゆっくりなので、待たされる方は
少しイライラしてしまう。
 だが、これほど動作がゆっくりなのに、歩く速度は普通だし、
仕事をする速度も普通である。布を切る速度だけは、
他の人間達よりも幾分遅いが。
「あれぇ~?」
 2人で従業員専用出口から外へ足を踏み出した瞬間、
和子が驚いたような声を出した。
「なに?どうしたの?」
 和子が周囲をキョロキョロしているので、睦子も
思わず周囲を見回す。
「いない……」
 大きな眠そうな目を何度もパチクリさせている。
 7時を過ぎているが外はまだ明るく暑い。ビルの間から見える
オレンジ色の光が、日暮れとは思えない眩しさを孕(はら)んでいる。
「どうしたの?いないって、どういう事?」
 和子は「はぁ~っ」と大きく溜息を吐くと、その場に
しゃがみ込んで膝の上に顔を伏せた。意気消沈しているのは
一目瞭然だ。一体、どういう事なのか。
 睦子は時間が気になりながらも、そのまま和子を置いて
去る訳にもいかない。
「ねぇ。どうしたの?」
 睦子は和子の隣にしゃがんで問いかけた。
「河嶋さんが…」
 和子のその一言で事情が呑み込めた。
 待ち合わせしていたのだろう。
「約束してたの?」
「うん…って言うか、最近毎日一緒に帰ってるんだ…」
 そうだったのか。和子はいつも遅くて、自分や京子の方が
先に出るから気付かなかった。
「電話してみたら?近くにいるのかもしれないよ?」
 和子の遅さにくたびれて、少しその辺をブラブラしている
可能性はある。
 和子は睦子の言葉に顔をほころばせて、バックから携帯を
取り出した。
 電話を耳に当てている和子を見て、睦子は落ち着かない。
結城の事が気になって仕方が無い。
 遅い…。出ないのか…。
 和子は長いことコールしていたが、諦めたように切った。
「出ないよ…」
 どうしよう。
 このまま自分だけ先に帰っても良いものか。
 河嶋と連絡が付いたなら、それで別れるつもりだった。
 だが、連絡が付かないまま、困惑した表情をしている和子を
一人置いていく事に、抵抗を感じるのだった。
「どうする?」
 不安そうにしている和子に訊いた。
「アユちゃん、ごめんね。あたし、電話しながらもう少しここで
待ってみるから、アユちゃんは帰っていいよ」
「でも…」
「大丈夫だからっ。ありがとね、付き合ってくれて。
もう平気だから、行って?」
 そう言って笑う和子を見て、胸が切なくなった。一体河嶋は、
彼女を置いてどこへ行ってしまったのか。
すぐに戻ってくれば良いのだが。
 本当は決着を見るまではいたいが、待っている人がいる以上、
長居はできない。
「ごめんね?一緒にいてあげられなくて」
「ううん。本当に大丈夫だから。お疲れ様」
 そう言う和子に手を振って、睦子は結城が待っているであろう
ゲーセンへと向かった。


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~ Comment ~

Re: ずばり>OH林檎様 

OH林檎さん♪

そうよねぇ~。放っておいても、平気よねぇ。

私も早く結城くんに会いたいです。

さっさと行けよと、どつきたくなりますwww

ずばり 

私なら気にせずほっとく(笑)
だって結城くんに早く会いたいもんv-345
アユちゃんは優しいねぇ。
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