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小説・目覚めのセレナーデ
第三章・冬は峻烈


目覚めのセレナーデ 3-19

2015.10.18  *Edit 

 嬉しい気持ちと躊躇う気持ちが葛藤している。
 ずっと憧れていた。共に演奏している時は、全てを投げだしてもいいと思うほど
胸が高鳴った。この人の傍にいたい。ずっと一緒に音楽を奏でたい。そう思ってきた。
だがそれは、演奏する時だけの事で、恋愛とは違うと否定していた。
 だけど……。
 こうして彼の唇を受けていると、そう思っていたのは間違いだったのだと悟らされる。
静かな、啄ばむような口づけから、貪るような激しいものに変わり、舌が入って来た。
戸惑う芹歌の舌を捉え、絡めて来る。吐息と唾液が絡み合い、ジャスミンティの
香りが鼻に抜けた。
 けれど……。
 いいのだろうか。私が今付き合っているのは、神永君の筈……。彼の愛を
受ける事が心地良かったのに。彼のお陰で、母も私も随分と楽になった。
助けられた。それなのに。
 それなのに、自分の心は真田に向かっているのだと、はっきりとわかってしまった。
 真田が唇を貪りながら芹歌を抱きあげた。
 ふわりと体が宙に浮き、芹歌は困惑した。
「せ、先輩……?」
「芹歌……」
 真田は繰り返し芹歌にキスしながら、芹歌を抱いたまま隣室へ入った。
ベッドルームだ。
そっとベッドの上に横たえられ、上に乗られて再び深いキスが始まった。
 真田の手が芹歌の頬を包む。長い指が、顎をなぞった。唇が外れた。
「顎の傷……、まだ少し残ってる」
 そう言って、そっと優しくそこへ口をつける。
「あ……っ」
「芹歌……、好きだよ。俺の芹歌……」
 そう言いながら、耳たぶをそっと舐められ、芹歌の体はビクンと跳ねた。
舌が耳たぶを舐めながら、次第に首筋へと移動していく。手が、ワンピースの
上から体をなぞった。
「せ、先輩……、なにを……」
「ずっと……、お前を……抱きたかった。だけどお前を愛してるから……、
お前が変わってしまうのが怖くて……、抱けなかったんだ」
 真田は手を背中に回し、ファスナーを下げた。ゆっくり肩から衣を剥ぐように
ワンピースを脱がした。首を這っていた唇が、鎖骨から肩へとなぞっていく。
「せ、先輩……、あ、や……」
 薄い唇が芹歌の肌の上を滑る。
 芹歌は、自分の肩先をなぞっている真田の手首を掴んだ。
「芹歌?」
「先輩……、やめて?」
「なぜ?」
 息が止まりそうなほど、せつない眼差しで問われた。
「だ、だって……」
 真田はフッと笑った。
「お前が可愛くてたまらないよ。だから、ずっと手を出せずにいたけど、
もう、我慢できないんだ。誰にも渡したくない。ずっとそう思ってた。いつだって、
言ってたろ?俺の芹歌って。だから、名実ともに俺のものにする。
正真正銘、俺の芹歌に……」
 真田はそう言うと、芹歌の手を外し、それから下着を外した。
 晒された胸に、その口が吸いついた。
「あ……っ」
「ああ、芹歌……、可愛い蕾だ……」
 舌先と唇で受ける刺激が体を震わす。
「先輩、ほんとに……だめ」
 芹歌は首を振る。
「なんでだ?俺が嫌いなのか?」
 喋る息が体の上をなぞり、官能を刺激する。
「そ、そうじゃなくて……」
「そうじゃないなら、なんなんだ?」
 悩ましげな声が、頭の奥に響く。
 胸を掬いあげるように掴まれて揉まれた。
「ああぁ……。だ、だめ……」
「だから、なんで?」
 荒い息を吐きながら、真田は片方の手で胸を揉みながら片方の胸を吸っていた。
「だ、か、ら……、ああっ……、あ、頭が……」
 おかしくなりそうだ。
「芹歌、何も考えなくていい。ただ、感じるままに……、気持ちのままに、
俺に任せてくれれば、いいんだ……」
「で、でも……」
 真田が芹歌の唇を塞いだ。大きな手が、芹歌の髪を掻き上げるようにして
撫でた。何度も何度も啄ばまれた。
「せ、先輩……、私、こ、こんな事……」
「わかってるよ……、わかってる……。怖がらなくていいから。俺を信じてくれ……」
 真田の指が足の間に触れた。
「あぁっ」
 思わず唇を噛みしめる。
(そんなところ、触らないで)
 そう思いつつ、快感が体を包んだ。
 優しく、そっと触れられて、ビクビクと震える。
「感じてる芹歌が、可愛くて愛しいよ……」
 耳元で囁かれた。それだけで痺れるような感覚が湧いてくる。
 いつだって、意地悪なのに、この上もなく優しい。
 足を開かれ、真田のものが入って来た。
「あっ……」
 二人同時に声が出た。
 芹歌は自分の体を割って入ってくるものに、裂かれるような痛みを感じた。
その一方で、熱いものが押し入ってくる事に安堵感を感じて不思議な気がした。
痛いけど、嬉しい。矛盾してると思うものの、それが真実だった。
「芹歌……、痛いか?」
 声がかすれている。芹歌は頷いて、「でも、大丈夫……」と答えた。
 真田が芹歌の体を強く抱きしめて来た。裸の体が密着する。芹歌は繋がって
いる事よりも、密着している事に高揚した。
「重くない……?」
 真田の息が上がっている。
「へ、平気……。先輩こそ……、足、大丈夫、ですか?」
 こんな体勢で心配になる。
「大丈夫だ……」
 真田は顔を起こすと、芹歌に何度も繰り返し口づける。体の高揚と共に
気持ちも高まって来て、手と手を合わせた。
(この手を……離したくない……。永遠に)
 舞台の上でも思ったが、今この時ほど強く願ったことは無い。そして、
この気持ちこそが、自分の本当の気持ちなんだと知った芹歌だった。


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