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Book レビュー


船戸与一 「残夢の骸」

2015.04.06  *Edit 

満州国演義 9.。。。。。


シリーズ最終巻。


長かった。


盧溝橋事変から終戦までの暗い時代。


敷島家の太郎、次郎、三郎、四朗の4兄弟を軸に進む

歴史大河ドラマ。


この時代の大陸の話しは結構好きなので、期待を持って

臨んだのですが、長編続き物と最初から分かっていたので、

読み始めたのは遅く、ここ1,2年で一挙に読みました。


読書好きのご婦人から勧められたのが契機なのですが。


最終巻が出たのは今年。

図書館で予約して、約1カ月半くらいで順番が回って来たので

早い方ですよね。まだ本が綺麗……。



船戸与一は冒険ミステリー作家?

他の作品は自分は読んで無いです。興味を持つものの、

内容紹介を見て読む気を失くすと言うか……(^_^;)

歴史物だから読んだのですが。


ざっくり言うと、良かったです。面白かった。

ただ、長い! 長すぎる!


でも時間の経過的には短い。その短い間に、物凄い出来ごとが

怒涛のように駆け抜けて行くので、お話し的には長くなっても

仕方ないと言えますが。

4兄弟のそれぞれの視点から時代が描かれているわけですし。


太郎は帝大法学部卒の外務官僚、次郎はやくざとの暴力刃傷沙汰が

原因で大陸で馬賊、三郎は関東軍将校、四朗は悩める軟弱な青年から

問題を起こして大陸で満映勤めになり、やがて関東軍情報課の嘱託に。。。


めまぐるしく変わる時代の波に、兄弟はみんな否応なく巻き込まれ、

呑まれ、流されて……。


その最終段階が、この巻。

1944年、昭和19年の春から始まって、戦後まで。


この小説は、全巻、読んでて辛かった。

だって、歴史の中身は知ってるので。

先が分かってる。

4兄弟は実在の人物達ではないので、この4兄弟が、この時代を

どう生き、どこへ行きつくのか、それが大変興味深くて

読み続けてきたけれど、なんかどんどん深みにはまって行くと言うか、

救われない印象が強くって。破滅感とでも言うのかな。

時代の破滅とリンクしちゃってる感じ?


4兄弟の中では次郎が一番魅力的な印象。

でも、前の巻で…………。

他の読者にも次郎が一番人気みたい。だって一番魅力的だもん。

彼だけは最後まで自由人で、時代の波に巻き込まれずに生きて

欲しかったけれど、もうそれは無理って事が序盤のうちに

明かされてるので、どうか深みにはまりませんように、、、と

祈るばかりだったけれど、お話しはそれとは逆に進んでくのよね~。

それは、他の兄弟たちにも言える事なんだけど。


あと、1巻の冒頭が、何故か幕末の会津戦争のシーンで、

それに続くようなスタートじゃなかったから、これは何なの?と

疑問に思ってたんだけど、その疑問がこの巻で明かされました。

だけど、長いから忘れてた。

明かされた段階で、ああそう言えば……と思い出し、

なるほど納得。随分と勿体つけられた伏線だったな~って思う。



それにしても、戦争は本当に悲惨。

しかも、中国や南方との米戦は、読む度に軍の指導者たちの

無能さに腹立つばかり。

メンツと保身ばっかり。エリート将校もね。

戦争関連の本を読む度に思う。

そして、ソ連の満州侵攻と、その後の抑留。

抑留は酷いと思う。しかも長い期間……。


ダンナの叔母が戦前満州に渡っていたので、戦後娘と二人で

引きあげて来たそうなんだけど、よくぞ無事にって思うばかり。

どんなに大変だったんだろうって思う。

舅は南方戦線に参加してたのよね。こちらもよく生きて帰国したって思う。



どうしてこんな戦争に突入したのか。

当時の世相とか、メディアとか、読んでると最近の日本の雰囲気に

近い物を感じて怖くなる。

集団の狂気、みたいな。


世界的にも怖い時代になってきてるよね。


歴史から色んな事を学んで欲しいと思う。



ところで、ストーリーは面白かったしボリュームは凄いしで

圧巻ではあったんだけど、船戸与一の特徴なのか、文章的には

?と思ったり、読みにくいなと感じる部分が結構あった。


自分的に読みにくいと思ったのは、人の名称。

軍人さんがさ。毎回毎回、同じ人でありながら、フルネーム+階級。


そこへもってきて、第十四方面司令官だの、何とか団だの、

すごいんだ、これが。

いやさ。説明部分ではまだいいんだけど、会話部分でも、そこまで

言う?って感じ?


会話だったら、最初にそこまで言うにしても、次は○○中佐とかで

済むよね。会話でいちいち階級は所属まで言わないでしょう……って。


何て言うか、戦況の説明をさ。会話で記述してるから、ってのも

あるんでしょうけど、それにしても、しつこい、って思った。

読みにくいの。なので、こちらは、苗字以下はすっ飛ばしました。


そのくせ、身近な人の中で、下の名前だけしか出さない人とかね。

身近で登場頻繁な人物が、みんなそうとは限らない。

太郎の秘書の女性なんて、しょっちゅう、お茶くみで出てくるのに、

出てくる度にフルネーム。何故???女性だし、下の名前で十分では?

4兄弟視点だから、場面が変わった時、誰の話しなのか最初のうちは

分かりにくいってのも読みにくい印象だった。

そこへ持ってきての、他の人物の名称表記の一貫の無さ……。


あと、他の読者が指摘してたけど、喫煙シーンの多用。

これは、会話の間の継ぎ間として使ってる小道具だと思うけど、

一挙に一人の人に事の事情を長々と続けてずっと喋らせるってわけには

いかないから、言葉を切っては煙草を咥えて燐寸をすらせ……って感じ?

毎度毎度、どの兄弟でもお馴染みな感じで、安直だな~っと

フと思いました。。。最初は感じなかったんだけどね。あまりに多いんで。


それと、会話でさ。

相手の話しが勿体付けるような、持って回ったような話し方が多く、

それに対して「何が言いたい?」みたいな突っ込み会話が、

これまた、どの兄弟でもあるんだよね。


最後に掲載されていた参考文献の量の凄さ、描かれた史実内容等、

あまりにも膨大で深い内容だけに、もうあまり技巧なんて

使ってられなかったんだろう、と推測できるので、仕方ないのかな、

と思うんですけども。

そういう細かいところは、あまり気にしちゃいけないね。

ちょっと気になる程度に留めるしかないでしょう。

読み応えはあったし、面白かったのだから。


すっきりサッパリな終わり方ではなかったけれど、1つの大きな時代が

終わったんだな、と、ちょっとした虚脱感を得て読了。。。。。

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