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Book レビュー


宮木あや子 「砂子のなかより青き草」

2015.02.01  *Edit 



とっても切ないお話しでした。

多くの方がご存じの、「枕草子」の作者、清少納言と、その主である、

第66代一条帝の中宮、定子(ていし)の物語です。

夫と別れ、子供とも別れ、一人になった年増のなき子(清少納言)が、

元夫の紹介で、中宮である定子に仕える所から物語は始まります。

この頃の定子はまだ18歳。そして帝は14歳。

まだ幼いながら、大変仲が睦まじく、一番幸せだった頃ですが、

その後の凋落を知っているこちらとしては、最初からどこか

物悲しくて。

また、物語も、一番始めがプロローグのように、なき子が宮中から

去るシーンで始まっていることもあり……。

「枕草子」のお陰で、歴史に疎い人でも、「源氏物語」を書いた

紫式部が仕えた中宮彰子の前に中宮であられた定子の存在が

あった事を知る人も多いでしょう。

関白であった父・藤原道隆が43歳で亡くなってしまったのが、

最大の悲劇だったんですよね。

嫡子である伊周は罪を着せられ、あっという間に実家が没落。

そして、父・道隆の弟である、叔父の道長が関白として権力をふるい、

まだ入内するには幼すぎる娘・彰子の為に、定子の追い落としにかかる。。。

帝と定子は仲睦まじく、政略結婚でありながら、相思相愛の仲。

まだ若いから、子供もおらず……。

そんな危うい立場にありながら、常に明るく毅然と立ち向かう

定子と、そんな定子を支える、なき子、そして女房頭でもある

宰相の君……。

なき子と伊周の、微妙な想いのやり取りも要所要所に入り、

また、時々宿下がりして子供らと会ってる時の様子や、

定子のサロンの様子や、後宮の戦いなどが生き生きと描かれていて、

華やかな世界でありながら、生活感が感じられる内容でした。

でも、定子となき子の気性、性質のせいなんでしょうね。

ドロドロした世界の筈なのに、ドロドロ感はない。

ただ、せつなくて……。

作者の宮木あや子は、他にも王朝物を書いてますが、

どちらも矢張りせつないかな。

帝は子孫を残す指名しか負って無いようかのように、政治よりも

妃達の所へ通っては子作りに励む。

好きな女でなくても、行かなきゃならない義務と責任を負い、

心を許せる者が無く、治天の君でありながら、自分の思うようには

ならずに孤独。

そして、帝の寵愛を得る事と、皇子を得る事で自らの立場を

確立するしかない妃達。

実家の権力や財力がそのまま妃達の立場に反映されて。

なんか、虚しい世界だな、って思うばかり。

こんな事が、大昔から延々と続けられてきたんだよね。

小説に描かれるのは、ほんの一部。

多くの帝と妃達が、この悲哀の輪廻を繰り返してきたんでしょうね。

報われない……。

それにしても、定子が哀れだった。。。

清少納言に対する印象も変わりました。

面白かったけれど、私には悲し過ぎて、王朝物はもう、これで

終わりにしようと思いましたが、悲恋ものとか、好きな人には

お薦めでしょうか……。


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